このページでは弱酸と強酸の違いについて解説していきます。結論から申し上げると、同じ温度・溶媒・濃度なら強い酸ほど電離しやすく、電離度は濃度によっても変わるという点が大切です!
電離度とは
それでは、重要なキーワードである電離度から説明していきます。
酸をHAと表した時、水溶液中では式(1)の様に反応します。

ここで、HAが電離してH+とA–になった割合を電離度といい,一般的にαで表します。αは式(2)の様に表されます。

弱酸・強酸の違い
それでは、弱酸と強酸では電離度αがどのように違うかを見ていきます。
強酸
αが1に近い時は水中にいれた物質がほぼ全て電離していることを表し、同じ条件で酸の強さを比べるときの目安になります。例えば、塩酸(HCl)を水中に加えた時はH+とCl–にほぼ完全に電離します。
弱酸
これに対して、αが1より小さい時は、水中に入れた物質の全てが電離するわけではないことを意味します。ただし、αが1より小さいという値だけで酸の強弱を分類することはできません。例えば、酢酸(CH3COOH)を水中に加えた時には、一部がH+とCH3COO–に電離しますが、一部はCH3COOHのままで存在しています。
ここまでは酸を例にとって弱酸と強酸の違いについて説明してきましたが、強塩基の場合も同様に考えて問題ありません。塩基も、同じ条件での反応の進みやすさを比べます。αの値は濃度にも依存するため、その値だけで強弱を分類しません。
薄めて電離度が増えたら、強酸になった?
酸の種類が持つ「強さ」と、その溶液の「濃さ」は別に考えます。電離度αは、溶かした酸全体のうち電離した割合です。

ペンタ酢酸を薄めたらαが増えるんだね。それなら、強酸に変わったの?
イコール酢酸の酸解離定数は同じ温度・溶媒なら同じです。変わったのは、この溶液で電離している割合です。
ペンタ割合が増えるなら、H⁺の濃度も上がりそうだけど。
イコール全体の濃度が10分の1になっています。電離した割合が増えても、1 L当たりのH₃O⁺の量は減ることがあります。図で二つの数値を並べましょう。

25℃の酢酸だけを水に溶かし、活量を濃度で近似して、水の自己解離の寄与を省ける例です。Ka,c=1.8×10−5 mol/Lとします。全濃度Cを0.0100から0.00100 mol/Lへ下げると、αは4.15%から12.5%へ上がります。一方、[H₃O⁺]は0.000415から0.000125 mol/Lへ下がります。
ここでは電離した濃度xに対してα=x/Cです。「割合」と「濃度」の分母が違うため、変化の向きも違います。弱酸が薄めるだけで別の強酸に変わったわけではありません。
まとめ
最後に弱酸・強酸についてまとめます。
・酸の強弱は、温度・溶媒をそろえた酸解離定数で比較する。
・αは物質を水に溶かした際に電離する割合である。
・同じ濃度なら、強い酸ほど一般にαが大きい。
・弱酸でも、薄めるとαが大きくなる。
最後までご覧いただきありがとうございます!
次回は弱酸の電離度についてさらに詳しく解説します。
【詳しく解説】電離度の求め方・弱酸は本当に電離しにくいのか?
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