浸透圧とは?【高校化学】

高校化学

今回の記事では浸透圧について解説していきます!
(関連性が深いのでよろしければぜひご覧ください→【高校化学】沸点上昇と凝固点降下「分かりやすく解説」

浸透

浸透圧を解説するにあたって、浸透圧に関する身近な例を示していきます。

例1)ナメクジに塩をかけると死んでしまう

例2)切った野菜に塩を振るとシナシナになる

例1、例2いずれもある物質(ナメクジ、野菜)の中にある水分が、外に流れ出すことで起こる現象であります。

つまり、物質の外と中とで水分が移動しており、この現象を浸透と言います。

このように、サイズの小さな水分子等の溶媒のみを通し、サイズの大きな溶質分子を通さない膜のことを半透膜といいます。(例においては細胞膜)

半透膜

上記の半透膜を用いて、ある実験を行うと不思議なことが起こります。

下図の様に、中央が半透膜で仕切られた容器を用意し、一方には純水な溶媒(水)のみ、もう一方には溶質(塩)を溶かした溶液(水溶液)を液面の高さが等しくなるように入れます。

長時間放置すると、以下の様に液面の高さに変化が見られます。溶媒(水)のみの液面は下がり、水溶液の液面は上がるという現象が確認できます。

これは、さきほどのナメクジや野菜に塩を振ると水分が出ていく現象と同様に浸透(溶媒の移動)により起こります。

浸透圧

それでは、なぜ浸透は起きるのでしょうか?

それは、物質は全体の濃度が均一になる方向へと作用するためです。

つまり、この系においては溶媒の濃度が低い方(溶媒のみ)から溶媒濃度の高い方(水溶液)の方向に溶媒が流出し、濃度差をなくそうとする作用が働いたことで、高低差が生まれました。

ここで、下図における高低差をhと置くと、この高低差分の圧力のことを浸透圧と言います。

浸透圧は浸透を抑えるために必要な圧力ともいうことができ、以下の図のように液面高さが等しくなる際の、水溶液側からかける圧力でもあります。

まとめ

今回は浸透圧について解説しました。

まとめると
・浸透は膜を隔てた2つの領域で起こる溶媒の移動現象
・半透膜は溶媒のみを浸透させることができる膜
・浸透圧は溶媒と水溶液間で溶媒の濃度を均一にさせるためにはたらく力

です。

いかがでしたか?最後までご覧いただきありがとうございました!

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