【高校化学】pHとは

分析化学
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pHが3から4になったら、水素イオンは増えるのでしょうか、減るのでしょうか。pHは小さな数で大きな違いを表す指標です。式の負号と10の指数を読み、具体的な濃度からpHを求めて確かめましょう。

3と4のカードを見比べるペンタと、段差を指すイコール
カードの3と4はpHの値です。差は1でも、水素イオンの活量は10倍違います。どちらが多い側なのかを、本文の計算で確かめます。

pHとは:まず定義と、今回の計算条件

pHは、溶液中の水素イオンの活量を表す指標です。活量a(H+)は、水素イオンの濃度だけでなく、周囲との相互作用も反映した、単位のない量です。厳密な定義は次の式です。

pH = −log10 a(H+)

ここからの数値問題では、薄い水溶液で、活量を濃度から近似できる場合を考えます。[H+]は水素イオンの濃度、単位はmol/Lです。Mという表記もmol/Lを意味します。

a(H+) ≈ [H+]/(1 mol/L)
pH ≈ −log10 {[H+]/(1 mol/L)}

例えば[H+]=0.00100 mol/Lなら、1 mol/Lで割った数値0.00100をlogに入れます。分子と分母の単位が消えるので、pHにも単位を付けません。濃い溶液などでこの近似が成り立たないときは、濃度をそのまま代入して厳密なpHと扱うことはできません。

問題:二つの溶液のpHと濃度比を求める

上の濃度近似が使える溶液A、Bを比べます。Aの[H+]は0.00100 mol/L、Bは0.0000100 mol/Lです。それぞれのpHと、Aの水素イオン濃度がBの何倍かを求めてください。続けて、pHが4のときの濃度を逆算します。

1.logで指数を読み、先頭の負号を掛ける

log10は、「10を何乗した数か」を読む計算です。10−3の指数は−3なので、log10(10−3)=−3です。まずAの数値を10のべき乗で書きます。

A:0.00100 = 10−3
log10 0.00100 = −3
pHA ≈ −(−3) = 3

指数の−3と、式の先頭の−は別です。先頭の−はlogで求めた数に−1を掛けるので、−3から+3になります。同じ順番でBを計算します。

B:0.0000100 = 10−5
log10 0.0000100 = −5
pHB ≈ −(−5) = 5

薄い水溶液の濃度0.00100mol/Lを数値0.00100にし、指数−3を読み、先頭の負号でpH約3にする。
①でlogへ入れる数を用意し、②で指数を読み、③で符号を逆にします。濃度が小さい数だからといって、pHが負になるわけではありません。
ペンタ

10の指数は−3なのに、pHは+3。負号が二つあるの?

イコール

そうです。一つは数0.00100を10^(−3)と書いたときの指数の符号。もう一つはpHの式の先頭にある負号です。−(−3)を計算すると+3になります。

ペンタ

では0.000100 mol/Lなら、指数−4を読んで、先頭の負号で+4?

イコール

そのとおりです。同じ薄い水溶液の近似で、pHは約4です。濃度が10分の1になったのに、pHは3から4へ1増えます。

2.濃度比は、pHの比でなく「差」から読む

AとBの濃度を、そのまま割ってみましょう。上にA、下にBを置くので、「AがBの何倍か」を求めています。

[H+]A/[H+]B
= (0.00100 mol/L)/(0.0000100 mol/L)
= 10−3/10−5
= 10−3−(−5) = 102 = 100

pHが約3のAは、pHが約5のBより水素イオン濃度が100倍です。逆向きにB/Aを求めれば100分の1。単位は割り算で消えます。

pHの差は5−3=2なので、102倍の違いでした。pHの数値の比5/3では求められません。pHが1増えるたび、活量は10分の1になります。今回の濃度近似では、水素イオン濃度も10分の1に対応します。

濃度近似でpH約3、4、5に対しH+濃度0.00100、0.000100、0.0000100mol/L。pH3から5で濃度100分の1、5から3で100倍。
上から下へpHは1ずつ増えますが、濃度は一段ごとに10分の1です。二段進むと100分の1。逆にたどると100倍なので、比を取る向きまで確かめます。
ペンタ

濃度が10分の1なら、pHも10分の1になる?

イコール

なりません。この近似ではpHは3から4になります。pHは濃度そのものではなく、10の指数を読んで符号を逆にした数だからです。

ペンタ

pHが増えたのに、水素イオン濃度は下がるんだね。逆にpH4から3になったら?

イコール

同じ近似で水素イオン濃度は10倍です。pHが低い側ほど水素イオンの活量が大きく、今回の近似では濃度も大きい、と向きを確かめましょう。

3.pH 4から濃度へ戻して確かめる

pHの定義を逆に読むと、活量は10−pHです。pHが4ならa(H+)=10−4。ここでも同じ薄い水溶液の濃度近似を使って、mol/Lの単位を付けて戻します。

[H+] ≈ 10−pH mol/L
pH 4なら、[H+] ≈ 10−4 mol/L
= 0.000100 mol/L

この濃度の数値を元の式に入れれば、同じpHへ戻るはずです。

pH ≈ −log10 0.000100
= −(−4) = 4

pH4から活量10の−4乗を求め、濃度近似で0.000100mol/Lへ戻し、負のlogを取ると4に戻る。
pH→活量→濃度近似→pHの往復です。逆算しても濃度近似の条件は引き継ぎます。

理解確認:pH 5から3へ変わったら?

同じ濃度近似が使える場合、pHが5から3へ下がると、水素イオン濃度は何倍になりますか。変化前後の濃度も求めて確かめてください。

答えと確認

変化前は約10−5 mol/L、変化後は約10−3 mol/L。変化後/変化前=10−3/10−5=102=100倍です。pHが2下がると、濃度は100倍に増えます。逆向きの3→5なら100分の1です。

まとめ

厳密な定義はpH=−log10a(H+)です。薄い水溶液で活量を濃度から近似できるときは、[H+]をmol/Lで表した数値で計算できます。logで10の指数を読み、先頭の負号で符号を逆にしましょう。

pHが1増えると、水素イオンの活量は10分の1です。同じ濃度近似では、濃度も10分の1。pHが低い側ほど活量が大きいと向きまで確認し、逆算した濃度を式へ戻すと、符号や倍率の取り違えを見つけられます。

酸の種類の違いは、弱酸、強酸の違いについてで説明しています。

参考資料

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